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8つの新規テーマと躍動感あるスコアで銀河を駆け巡る!「Solo: A Star Wars Story」soundtrackレビュー&解説

皆さん、お久しぶりです。新しく公開されたスター・ウォーズ(以後:SW)スピンオフ作品「Solo: A Star Wars Story」が公開されましたが、皆さん観に行かれましたでしょうか?
日本公開が約1ヶ月遅かったのでは、私は香港まで行って一足先に観に行ってました(笑)。
私はSWのスピンオフ作品も少しですが追ってる方なので、ネタが豊富な点は非常に楽しめました。しかし惜しい点も少なくなく、自分としてはまあまあかな、とも思いました。もうちょっと良く見せることが出来たような場面が多い気がするんですよね・・・。

それはさておき、今回もサントラのレビューをしていきたいと思います。
今回の音楽を手掛けたのはジョン・パウエル。「ボーン」シリーズ、「ヒックとドラゴン」シリーズ等が有名ですが、個人的には「X-Men」シリーズの3作目「ファイナル・デシジョン」の曲が大好きです。明確なテーマ分けと耳に残るインパクトあるモチーフの数々が非常に印象的でした。

また、パウエルの作曲の特徴が今回も現れており、新規のテーマがかなり多く出てきます。
どうやらジョン・パウエルは今作の為に7つものテーマ(ウィリアムズによるものを含めると8つ)を作ったらしく、聴くだけでどこの場面なのか想像しやすい作りになっています。どれが何のテーマを指しているのか考えてみるのも面白いと思います。

あ・・・もちろんネタバレ込みですので一応注意して下さい(笑)。



1、The Adventures of Han (ハン・ソロの冒険) John Williams
本編未使用曲。

今作のメインテーマとなる曲、「ハン・ソロのテーマ」曲です。ジョン・ウィリアムズが手掛けた曲となっており、今作でのこのテーマはこのテーマをジョン・パウエルがアレンジしていくちょっと変わった面白いスタイルになっています。
SWのナンバリングシリーズでは「ハンとレイアのテーマ」等はあっても、ハン・ソロ単体のテーマは今まで存在しませんでした。今回遂にハンのテーマが作られ、かつウィリアムズ自身の手で生み出されたというのはなかなか感慨深いものがあります。

テーマ自体の話に移りますが、やはり今風のジョン・ウィリアムズの曲調になっており、続三部作で聴こえたようなフレーズがいくつか聴こえてきます。
0:16~0:34等で聴こえるフレーズは「フォースの覚醒」や「最後のジェダイ」(以後:EP8)で使用された「ポー・ダメロンのテーマ」にそれとなく似ています。実際初見時は「ポーのテーマ」にしか聴こえなくてちょっと微妙に感じてたぐらいなんですよね・・・。今は非常に気に入っています。
どうやらウィリアムズの頭の中では”名パイロット”というものを表すにはこういったメロディが浮かんでくるみたいです。ポー・ダメロンと今回の若きハン・ソロのキャラには共通点のようなものをウィリアムズ自身が見い出しているような気もします。

また、1:14~1:39辺りの部分は、EP8でのクレイト戦でフィンがスキースピーダーでの一場面のフレーズに似ています(ファルコンによるチェイスシーンが終わった後辺り)。
今回のテーマを聴いてからEP8を観ると、新たな世代のハン・ソロが誕生していっているようにも聴こえてきて、また違った面白さが増えたようにも思います。

締めはやはりウィリアムズが好きなビシッとキメるパターンに今回もなっています。ホント好きですね・・・(笑)。
アウトロー的ポジションのハンには正義感が強すぎるような曲調である気がしなくもないですが、今作のハンはまだそういった世界を知らない垢抜けない頃を描いているので、結構合っているテーマであると思います。



2、Meet Han (若きハン・ソロ) John Powell
本編冒頭で、コアクシウムを盗んだハンおおがコレリアでスピーダーを走らせている場面の曲。

最初のあらすじが述べられる場面では、今回初登場の新たなテーマが流れます。このテーマ、後に流れる「ハンとキーラのテーマ」の延長線上の部分なのか、「犯罪組織(クリムゾン・ドーン)のテーマ」なのか・・・等々、何を表しているのかかなり悩みましたが、ジョン・パウエルのFacebookに答えらしきものが書かれていました。
 

ジョン・パウエルFacebook1 

ジョン・パウエルFacebook2  

どうやらここに書かれているテーマを消去法で考えていくと、これは「シークレット・モチーフ」ということになりそうです。これが文字通り「秘密」を表すテーマなのかもしれませんが、本編中での使われ方を見る限り、やはり「クリムゾン・ドーンのテーマ」と呼ぶ方相応しい気がします。
ちなみに、冒頭のこの場面では、観客側に初めて"コレリアの現状を明かす"=コレリアの秘密を観客に伝えることから、「シークレット・モチーフ」として考えられたとも考えられますが、単純にクリムゾン・ドーン等の犯罪組織について冒頭の解説で触れられる為、後者での意味合いの方が強いと思います。
また、本編中でこのテーマはクリムゾン・ドーンに関わる前のキーラが映る場面で流れているのが確認出来ますが、出来ればコレリア時代の場面ではあまり使ってほしくなかった気はしますね・・・。

ちなみにこのテーマですが、何となく「ローグ・ワン」における「ジンのテーマ」に似ているような気がしなくもありません。「ローグ・ワン」の曲はマイケル・ジアッキーノが担当である為、おそらく偶然だとは思いますが、人生の大半が犯罪組織と隣り合わせの暮らしだったジン・アーソを表すテーマが、このテーマに似ているというのはなかなか面白いです。

ハンがスピーダーを走らせながらタイトルが出る場面では、ジョン・パウエルによりアレンジされた「ハンのテーマ」が流れます。
テーマ自体ももちろん好きですが、パウエルのこのような力強いアレンジが非常に良いですね。ジョン・ウィリアムズはテーマ単体をしっかりと聴かせるタイプの作曲家ですが、パウエルはテーマをアレンジしながら曲を組み立てていく作曲家である為、今作での2人の役割分担は面白い化学反応のようなものが起きています。
後からウィリアムズがテーマのみを担当すると発表があった時はどうなるのか未知数でしたが、予想以上に良いものが生まれていて驚きました。




3、Corellia Chase (コレリア・チェイス) John Powell
コアクシウムを盗んでレディ・プロキシマの元を逃亡したハンとキーラが、モロックらの追跡を受ける場面の曲。

爽快な「ハンのテーマ」が流れます。
一定のリズムの中にテーマの入れ込んでくる手法は、SW作品を担当した作曲家だと「ローグ・ワン」のマイケル・ジアッキーノやTVシリーズ「クローン・ウォーズ」(以後:TCW)「反乱者たち」(以後:レベルズ)でお馴染みのケビン・カイナーに似ていますね。
個人的にはこういったタイプの作曲家さんが大好きなので、最近のSWの曲は気に入るものが多いのかもしれないです。

ちなみに、ジョン・パウエルが自身のFacebookでこの曲の一部の収録風景の動画をアップしていました。以下のリンクで見ることが出来ます。
この通り、2:10辺り等で特に違いが目立つシャカシャカした音は、電子音等による後からの後付けだと分かります。この音があるか無いかでだいぶ印象や力強さが変わりますね。こういった完成前の曲を聴くことが出来るのは面白いです。



4、Spaceport (宇宙港) John Powell
ハンとキーラがコロネット宇宙港の検問所を抜けようとしたところ、離れ離れになってしまう場面の曲。

2:44~2:58の部分で流れるフレーズがここで初めて流れますが、11曲目の「Lando's Closet」等で中心に流れる「ハンとキーラのテーマ」です。パウエルはFacebookで「Love Theme」と書いていましたが、ちょっと分かりづらいのでこう呼ぶことにします。

また、ハンとキーラが離れ離れになる場面では、「クリムゾン・ドーンのテーマ」が流れます。ここでこのテーマが流れる理由が分かりませんが、おそらくキーラがクリムゾン・ドーンに関わることを示唆するという形で使われているというのが有力だと思います・・・。
このテーマに関してはもうちょっと納得いく解釈を見つけたいと思ったのですが、このテーマが表しているものを挙げてみた3つ(「秘密」「絶望」「クリムゾン・ドーン」)の中で、やはりクリムゾン・ドーンを直接的に表しているという解釈が個人的に一番納得いった為、この方向性で考えることにしました。



5、Flying with Chewie (最強の相棒チューイ) John Powell
ハンとチューイがベケットらと共にミンバンを離れ、ヴァンドア1へ向かう場面の曲。

0:40~1:11で流れるモチーフは、「ベケットのテーマ(ギャングのテーマ)」であると考えられます。パウエルがFacebookで挙げていたテーマ曲のリストを(またまた)消去法で考えると、これは「Gang Theme」になると思いますが、本編ではベケットのギャング集団よりも、ベケット個人にフォーカスされていたテーマだと思った為、この呼び方でいきます。このモチーフは次の「Train Heist」でメインとして流れ、色々なアレンジを聴かせてくれます。

また、チューイとハンが檻から脱出する0:02~0:38や、ハンがシャワーを浴びているところにチューイが割り込んでくる2:03~2:10辺りで流れるモチーフは、チューバッカを表すモチーフです。チューバッカにテーマ曲が与えられたのも何だかんだ初めてですね。最初の部分では力強さを感じる雰囲気ですが、後半の方ではおっとりした優しさを感じられるメロディとなっており、非常にチューバッカらしいテーマだと感じました。



6、Train Heist (コアクシウムを奪え) John Powell
ハンやベケットらがコアクシウムを盗み出す為、帝国のコンヴェイェックス輸送車に奇襲をかける場面の曲(一部省略部分あり)。

前曲で流れた「ベケットのテーマ」がメインとして流れます。様々な曲調で聴くことが出来て面白いです。ここでのテンポの早い「ベケットのテーマ」、非常に好きです。
また、チューバッカが自身の境遇を語る場面では、しっかり「チューイのテーマ」も流れています。

しかし今回注目すべきは、何と言っても3:36~3:50の部分です。ここでしっかりと「新たなる希望」(以後:EP4)における「帝国のテーマ」を使ってくれています。EP4でのストームトルーパーによる<タンティヴⅣ>襲撃時のテンポとよく似ています。
「ローグ・ワン」でもバクタ・タンクに入ったヴェイダーが現れる場面で使用されていましたが、今回も引き続き引っ張ってきてくれました。
ウィリアムズはあの有名な「帝国のマーチ」を作って以来こっちのテーマを使うことは無くなってしまいましたが、他の作曲家達が使ってくれるのは非常に嬉しいです。

また、3:08や3:13辺りの部分が少しだけレベルズにおけるメインテーマの一部っぽく聴こえました。クレジットの終わりに近い一部分がここにかなり似てるんですよね・・・。帝国に歯向かう反乱分子っぽい部分を音楽でも何となく感じられました。

この曲ですが、ハンらがコアクシウムを発見した時の微かに聴こえるコーラスの部分が収録されていなく、若干本編と異なるものとなっています。



7、Marauders Arrive (盗賊たち) John Powell
ハンらが輸送車を襲っているところに、エンフィス・ネスト率いるクラウド=ライダーズがやって来る場面(一部省略部分あり)。

今作で「ハンのテーマ」と肩を並べる程印象的なテーマ、「エンフィス・ネストのテーマ」がここで初登場します。
このような激しい女性コーラスが前面的に出てくるタイプのテーマ曲はSWシリーズでは無かった為、かなりインパクトが強いです。
意味ある歌詞がスコアとして並べられているものは下手するとノイズとなってしまう場合もある為、リスクも少なくないと思っているのですが、今作ではキメる箇所だけこのテーマを用いてきていて好印象でした。
(「アメイジング・スパイダーマン2」の「エレクトロのテーマ」(ハンス・ジマー作曲)なんかも似たタイプですが、あれはテーマ自体が好きなだけに、劇中で多用しすぎていた感があってちょっとうるさく感じてしまった、という記憶があります・・・)

ちなみにこのコーラスが何語で、どういう意味を持っているのかはまだ分かりません。「ファントム・メナス」(以下:EP1)等でお馴染みの「運命の闘い」もある歌詞をサンスクリット語に訳すというスタイルで作られている為、この歌詞に意味が込められているとしたら、その内パウエルが明かすかもしれません。

この曲のように様々なテーマがテンポ良く切り替わってマッチングされる曲はホント良いですね・・・。特に3:11~3:26辺りに流れるアレンジされた「ベケットのテーマ」は特に好きです。

また、ヴァイパー・プローブ・ドロイドが出てくる場面ヴァルが起爆スイッチを押す手前の場面等、主にヴァル関係の部分がカットされています。



8、Chicken in the Pot (チキン・イン・ザ・ポッド) John Powell
ドライデン・ヴォスの所有する<ファースト・ライト>内でオーロディア・ヴェンタフォリとルレオ・プリモックが歌っている曲(一部異なる部分あり)。

まさかのサントラ収録で驚きました。しっかり歌もパウエル自身が作ってるんですね・・・。
SWのこういったタイプの曲では珍しいスローテンポな曲で面白いです。

収録自体は非常に嬉しいのですが、あのクリーチャーの声が本編と異なっているのが非常に残念です。
突然変更になったのか、サントラ用に変更したのか分かりませんが、何故こんな可愛らしい声に置き換わってしまったのでしょうか・・・誰だお前・・・って感じです(笑)。少々勿体なく感じます。



9、Is This Seat Taken? (サバック対決) John Powell
ハンが船を手に入れる為にランドとサバックをする場面の曲(ハンが席についてサバックを始める場面から)。

SWではあまり聴くことの出来ない、南国の場面に合いそうな雰囲気の曲調で面白い曲です(特に最初の部分)。
このような音楽を流せるのも、型に縛られずあらゆる方向に振り切れるスピンオフ作品ならではの強みですね。

曲の間に「ハンのテーマ」、「ベケットのテーマ」、更には「エンフィス・ネストのテーマ」までもをしっかり挟んできているのも非常に良いです。
ただ、ここで「ベケットのテーマ」があまり関係無い場面で流れていたのがちょっと気になりました。編集段階でベケットに関する場面が削られてしまったのかもしれないですし、ハンがベケットに似てきたことを示しているのかもしれません。
また、ハンが勝ちそうな場面では、SWのメインテーマである「反乱軍のテーマ」も流れています。



10、L3 & Millennium Falcon (L3とミレニアム・ファルコン) John Powell
~0:22・・・(おそらく)本編未使用曲。
0:22~・・・L3を先頭に、ハンやランドらが<ミレニアム・ファルコン>の泊まっている場所に向かう場面の曲。

0:26~0:37辺りで流れるメロディが、今作初登場キャラの「L3のテーマ」です。「チューイのテーマ」とはまた違った方向でユーモアな雰囲気を出せていますね。

ハンが<ミレニアム・ファルコン>と初対面する場面では、メインテーマとして「反乱軍のテーマ」がコーラス付きのアレンジで流れます。
このテーマに関しては、割と多用している感じが否めないEP7やEP8よりも良い使われ方がされていると思います(今作もまだ多く感じますが・・・)。やはり流すべきところをしっかり絞って流した方が感動が増す気がします。

ランドがベケットとの取引に修正案を受け入れる場面では「ベケットのテーマ」、<ファルコン>に追跡装置を付けたことを示す場面では「エンフィス・ネストのテーマ」がしっかり流れています。



11、Lando's Closet (ランドのクローゼット) John Powell
ランドのケープが大量に置いてあるクローゼットの中で、ハンとキーラがキスする場面の曲。

ロマンチックで美しい「ハンとキーラのテーマ」が流れます。<ファルコン>内のキスであることからも、これが今作での「ハンとレイアのテーマ」に相当する曲になるのでしょう。
この曲で初めて「ハンとキーラのテーマ」をはっきりと聴くことができますが、やはりこのテーマ、ウィリアムズが作曲しているわけでは無いのに、「愛」を連想させるメロディが非常にジョン・ウィリアムズっぽく感じます。インディ・ジョーンズシリーズ1作目「レイダース」でお馴染みの「マリオンのテーマ」や、「スーパーマン」における「愛のテーマ」なんかと曲調・メロディ共に凄く似てる気がするんですよね・・・。

ハンの初の恋として、こういった「純粋な愛」を連想させるようなウィリアムズの「愛」の表現を意識していたとしたらなかなか面白いです。パウエルって結構ジョン・ウィリアムズと相性良いんですね・・・。これ1曲を組曲として出しても良いレベルの美しさです。



12、Mine Mission (スパイス鉱山作戦) John Powell
ハンらがケッセルのスパイス鉱山でミッションを行う場面の曲(キーラがパイクのクウェイ・トールサイトを殺す場面から、ランドが「カルリジアン・クロニクル」を記録している場面の手前まで)(一部省略あり)。

パウエルがFacebookで述べていた8つのテーマのうち、最後の1つは返信欄でパウエル自身が明かしている「Coaxium Riff」つまり「コアクシウムのテーマ」でしょう。この曲では主にこのテーマがメインとして流れます。全体的に「冒険」を意識した楽しげなマーチのような曲調になっています。今作のスコアは振り幅が大きくて聴いてて飽きないですね。

ハンがチューイの単独行動を許し、別れる場面ではしっかり「チューイのテーマ」も流れます。

また、ハンがコアクシウムが保管されている部屋の前にいる看守を殴り倒す場面等、少々カットされている部分があります。

あと、曲の一番最初の「L3のテーマ」が少しだけTCWにおける「クローンのテーマ」っぽく聴こえました・・・。たぶん全く関係無いと思います(笑)。



13、Break Out (脱出) John Powell
L3によるドロイドらの暴動の中、ハンらがケッセルを脱出する場面の曲(<ファルコン>の前にスター・デストロイヤーが現れる場面の手前まで)。

引き続き「コアクシウムのテーマ」や「ハンのテーマ」が流れる他、「ベケットのテーマ」、「L3のテーマ」、「チューイのテーマ」、「反乱軍のテーマ」が滝のように流れており、とにかくテーマのオンパレードのような曲構成になってます。

中でもエモーショナルな「L3のテーマ」は良いですね。L3初登場時は陽気なテーマだったのに対し、ランドの肩に抱かれる場面(4:54~5:30辺り)での見違えるような編曲には驚かされます。

また、ハンが<ファルコン>を操縦し始める場面の曲は、妙にEP7におけるジャクーでの「ファルコン・チェイス」の場面の曲を思い出させます。4:23辺りの「反乱軍のテーマ」なんかも、EP7のファルコン・チェイスの場面でもかなり似たような入り方で流れる部分があって結構彷彿とさせるんですよね・・・。



14、The Good Guy (いい人) John Powell
~1:50・・・サヴァリーンに到着したハンがキーラと会話する場面の曲。
1:50~・・・ベケットとハンが別れを告げ、ドライデンが待つ<ファースト・ライト>へハン、チューイ、キーラらが向かう場面の曲(一部省略あり)。

この曲からサントラの収録曲順が本編と異なってきます。
しかしEP7のサントラでも「Follow Me」と「The Falcon」の間に「Rey's Theme」が挟まっていましたが、<ファルコン>が絡む場面では間に静かな曲を入れる決まりでもあるんですかね・・・曲のテーマで展開が読めてしまうことを防ぐ為のネタバレ防止策とかなんでしょうか・・・。

また、「ハンのテーマ」、「ハンとキーラのテーマ」、「ベケットのテーマ」、「クリムゾン・ドーンのテーマ」等が関係性のある部分にしっかりと流れています。本物のエンフィス・ネストが現れる場面で高らかに流れる「エンフィス・ネストのテーマ」が特にカッコいいです。

ちなみにヴァンドア1でベケットがハンを殴ってから和解し、<ファースト・ライト>へ向かう場面でも1:50~以降とほぼ同じ曲が流れていました。



15、Reminiscence Therapy (回想法) John Powell
<ファルコン>が帝国のTIEファイターの追跡をかわす場面の曲(<ファルコン>の前にスター・デストロイヤーが現れる場面から、<ファルコン>の明かりが暗くなる場面まで)。

懐かしの曲が数多く流れるこの曲ですが、結構言いたいことがあります・・・。

まず、スター・デストロイヤーが現れる最初の部分の曲ですが、EP4で使用された「デス・スターのテーマ」が使用されています。
うーん・・・何故ここを「デス・スターのテーマ」にしてしまったんですかね・・・。この部分こそ「帝国のマーチ」でビシッとキメてほしかったです。「ローグ・ワン」で構図・音楽共にほぼ完璧に最高潮テンションに持っていくデス・スター初登場シーンを見てしまっただけに、ここは自分の中でかなりマイナスな部分になってしまいました・・・。

さて、この曲は今作の他の曲と比べてもウィリアムズのスコアからの引用が非常に目立っており、ベースとなる曲は、
~0:07・・・EP4サントラ1-8「Tales Of A Jedi Knight/Learn About The Force」
0:07~0:27・・・EP4サントラ2-2「The Millenium Falcon/Imperial Cruiser Pursuit」
0:27~0:35・・・EP5サントラ2-3「Attacking A Star Destroyer」
1:42~2:32・・・EP4サントラ2-9「Ben Kenobi's Death/Tie Fighter Attack」
2:32~2:55、3:24~3:45、4:48~4:51・・・EP5サントラ2-6「The Asteroid Field」
という感じで、主にEP4とEP5の<ミレニアム・ファルコン>関連のスコアの組曲のような構成になっています。

こういったスコアが好きな人は多いと思いますが、自分は正直苦手です。他のスコアが新規で作られているだけに、しっかり作られているのは分かるものの、どうも手抜き感を感じてしまうんですよね・・・。
同じ理由で、レベルズシーズン1のスコアもちょっと微妙でした。
既存曲を繋ぎまくった「クローンの攻撃」でのアリーナにおけるジオノーシス戦の場面をちょっと思い出しました。

しかし、「Tie Fighter Attack」こと「ヒア・ゼイ・カム」のアレンジはEP8で流れたものよりも圧倒的に好きです。聴き慣れない音が加わるだけでガラッと印象が変わりますね。
また、こんな感じに既存曲を繋げる構成は、ちょっと「スター・ツアーズ」を思い出しました。2:32の切り替わりの部分なんか凄く「スター・ツアーズ」みを感じます。EP8のクレイトでの<ファルコン>の追走劇も「スター・ツアーズ」を意識していたそうですが、今回の方が雰囲気も近かったように思いますね。

「ハンのテーマ」や「L3のテーマ」が忘れずしっかり織り込まれている点は嬉しいです。



16、Into the Maw (モー星団) John Powell
~4:24・・・コアクシウムを使用し、<ミレニアム・ファルコン>が重力井戸からの脱出を試みる場面の曲。
4:24~・・・<ファルコン>がサヴァリーンに到着する場面の曲。

「ハンのテーマ」、「コアクシウムのテーマ」、「ベケットのテーマ」、お馴染みの「反乱軍のテーマ」等が織り込まれながら躍動感ある曲が鳴り響きます。
今作の曲全般的に言えることですが、電子音で追加されたシャカシャカしたようなサウンドが印象的ですね。

また、本編ではハイパージャンプする場面で曲が途切れ、サヴァリーン到着時にその続きが流れる形となっていますが、サントラ版は綺麗に繫がっています。



17、Savareen Stand-Off (サヴァリーンのにらみ合い) John Powell
サヴァリーンに到着したハンらの前に、エンフィス・ネストが現れる場面の曲。

緊張感のあるサウンドから一気に大きくなる「エンフィス・ネストのテーマ」が印象的です。

ところで、2:31辺りから流れるテーマを奏でる楽器は尺八でしょうか?尺八といえばTCW劇場版のタトゥイーンの場面で使用されてることが明言されていましたが、こういった不気味さのようなものを表すにはピッタリの楽器なのかもしれません
また、この主軸となるメロディに被さるように、EP7やEP8の「スノークのテーマ」のような男性の低音コーラスが入るのも一層不気味さを増す効果を生んでいます。

エンフィス・ネストがクリムゾン・ドーンのマークを描いて示す場面等で、「クリムゾン・ドーンのテーマ」も流れます。やはり後半になるとこのテーマの占める割合がどんどん増えていきますね。



18、Good Thing You Were Listening (最期のアドバイス) John Powell
~1:01・・・ハンが自分を殺そうとしたベケットを撃ち殺す場面の曲。
1:01~1:46・・・本編未使用曲。
1:46~・・・キーラの乗る<ファースト・ライト>が出発し、ハンが見つめる場面の曲。

ハンがベケットを撃ち殺す直前の曲が「クリムゾン・ドーンのテーマ」であるのがちょっと謎です。
また、ミスリードを誘う為なのか、元々この曲を流すつもりだったのか分かりませんが、「クリムゾン・ドーンのテーマ」が大きく流れる部分があります。
もしこの場面に使う予定であったなら、本編版のように変更してくれたのは非常に良かったと思います。
いきなり音楽が静かになって静寂になる雰囲気と、悲しげにか細く流れる「ベケットのテーマ」が本編版は非常に印象的で好きでした。ここの場面の本編版聴きたい・・・。



19、Testing Allegiance (忠誠の証) John Powell
キーラがドライデンを殺し、ハンと別れる場面の曲。

2:36辺りから流れ始めるピアノ調の「ハンとキーラのテーマ」が非常に美しいです。2人の一端の別れの場面として非常に相応しい旋律だと思います。
今作は今までのSWシリーズでは聴くことの出来なかった曲使いが多く見られますが、ここまでピアノの美しさを引き出した使い方をしたのも初めてだと思います。アレンジの美しさのお陰もあり、「ハンとキーラのテーマ」は個人的にかなり気に入ったモチーフになりました。

最後に大音量で「クリムゾン・ドーンのテーマ」が流れますが・・・まあ例のボスが出てくる場面ですね(笑)。



20、Dice & Roll (ダイスを転がせ) John Powell
ハンがサバックでランドに勝利し、<ミレニアム・ファルコン>を手に入れる場面の曲(ハンが大金を投入する場面から、エンドクレジット手前まで)。

再びサバックを行う場面を9曲目「Is This Seat Taken?」と同じような雰囲気の曲で描き、最後は「ハンのテーマ」と「反乱軍のテーマ」のミックスで盛り上げて締めるという構成です。
本編全体を通して上手いのであまり目立ちませんが、「反乱軍のテーマ」と自然に絡ませる「ハンのテーマ」が非常に良いです。テーマ自体も速いテンポに合わせられるように出来ており、かつパウエルもしっかりそれを使いこなせているので、聴いた時も非常にテンションが上がります。

ちなみに「ローグ・ワン」同じく、今回もクレジットの曲は入りませんでした。



以上で全曲のレビューは終わりです。



<音楽に関して>
インパクトある豊富なテーマが組み合わさる曲構成、躍動感溢れるテンポ良いサウンドが印象的でした。特に私は曲のテーマで物語を語っていく演出が好みなので、こういったタイプの作曲家は大好きです。
スター・ウォーズといえば印象的なテーマの数々ですが、「ローグ・ワン」のマイケル・ジアッキーノ、TCWやレベルズのケビン・カイナー、そして今作のジョン・パウエルもみんなテーマを重視する作曲家であることは非常に嬉しいです。
ただ、ウィリアムズのテーマの使い方はもう少しちゃんと理解した上で使ってほしかったですね・・・。スター・デストロイヤーに「デス・スターのテーマ」を使ったり、ホログラム出演のあの人に「運命の闘い」をテーマっぽく流したりと、印象的なモチーフをとりあえず流しているような印象で残念でした。



<サントラに関して>
主要な部分をほとんど入れてくれて非常に満足です。「X-Men: ファイナル・ディシジョン」のサントラは曲同士が繫がっている場合があり、1つの曲として聴きにくいというちょっと残念な部分がありましたが、今回はそういった仕様にもなっていなかったので安心しました。
サントラ未収録ですが聴きたかった曲としては、

・序盤の帝国勧誘宣伝広告で流れる「帝国のマーチ」
・ハンが帝国に入隊してから3年後のミンバン戦の場面に切り替わる時の「帝国のマーチ」
・<ファースト・ライト>がヴァンドア1に到着する場面の曲
・「Chicken in the Pot」の本編バージョン
・ケッセルに到着し、ハンらが奴隷として連れて行かれる場面の曲
・モール登場時に流れる「運命の闘い」
・ハンがベケットを撃った後に暗く流れる「ベケットのテーマ」

辺りですね。特に聴きたいのは、やはりミンバン戦での「帝国のマーチ」と最後に書いた「ベケットのテーマ」です。
また、ディズニーによる作品は毎年アカデミー賞ノミネート推薦ページ「For Your Consideration (FYC)」で本編使用時の曲が公開されるのが恒例になってきていますが、今年もページ自体が出来始めました。まだアカデミー賞が終わってそこまで経っていない為、「Coming Soon」の状態ですが、今年も昨年と似たようなスタイルでページが出来そうです。今年も公開されることを信じて、気長に待ちたいと思います。



<モールのテーマに関して>
先程からちょくちょく触れていますが・・・そうです、今作には(ダースの称号を取り去った)モールが出てくるんですよ!正直ハン・ソロのスピンオフ映画で「モールのテーマ」について触れることになるとは思いませんでした(笑)。
先程ちょっと触れたように、登場時に流れる曲が「運命の闘い」であることが少々不満だった為、軽く過去の「モールのテーマ」について触れる機会を設けました。
「モールのテーマ」ですが、TVシリーズ作品を含めて、現時点でモールについて表すモチーフは3つ程あります。

EP1「ファントム・メナス」でのウィリアムズによるモチーフ。囁き声のようなコーラスが混じっているもの。ダース・シディアスがヌート・ガンレイらにモールを紹介する時や、モールがタトゥイーンに到着する場面、モールがクワイ=ガンを殺す前の場面等、モールが登場する場面では頻繁に流れている結構印象的なモチーフ。

TVシリーズ「クローン・ウォーズ」でのケビン・カイナーによるモチーフ。ウィリアムズのものとは異なるものの、同じく囁き声のようなものが短く取り入れられたもの。地味なのでちょっと気づきづらいが、シーズン5「歪みゆく惑星」でのモールによるサティーン殺害時の場面等が分かりやすい。

TVシリーズ「反乱者たち」でのケビン・カイナーによるモチーフ。他の2つとは異なり、少し穏やかで不気味な雰囲気のメロデイ。シーズン2「シスの秘密」やシーズン3「双子の太陽」等、モールが中心となって登場するエピソードではよく聴くことが出来る。ちなみに②のテーマもたまに流れてる場面がある。

このように、「モールのテーマ」はTVシリーズを含めるものの、結構あります。状況によって立場が大きく変わる人物であるからこそ、1人のこれだけ多くのモチーフがあることにも納得出来ます。だからこそ、権利の都合上等からカイナーのテーマを用いることが出来なかったにせよ、せめて「運命の闘い」ではなく①のテーマを流してほしかったな・・・という気持ちが強いです。

ちなみに「運命の闘い」は運命の変わり目となる部分で流れることが多くあることから、ここがその「運命の変わり目」ということを表して流していると捉えられなくもないのですが・・・やっぱりここは「モールのテーマ」として使っているようにどうしても感じてしまったので、ちょっと厳しめに書きました。やはりテーマは表面上だけでなく内部までしっかり掘り下げて考えて使ってほしいです。



<「Solo: A Star Wars Story」soundtrackストーリー曲順>
2Meet Han
3、Corellia Chase
4Spaceport
5Flying with Chewie
6Train Heist
7Marauders Arrive
8、Chicken in the Pot
9Is This Seat Taken?
10L3 & Millennium Falcon (0:22~)
11Lando's Closet
12Mine Mission
13Break Out
15Reminiscence Therapy
16Into the Maw
14、The Good Guy (~1:50)
17Savareen Stand-Off
14The Good Guy (1:50~)
19Testing Allegiance
18、Good Thing You Were Listening (~1:01)
18、Good Thing You Were Listening (1:46~)
20Dice & Roll
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No title

レビュー待ってました!

おっしゃるように、映画冒頭の帝国のマーチのアレンジはなかなか燃えますよね!
「Train Heist」「Reminiscence Therapy」にはガンガン燃えさせられました。

Re: No title

suitakameさん、コメントありがとうございます。
更新頻度が低いにも関わらず、今回も見に来ていただいて嬉しいです。

私もsuitakameさんのブログ拝見させていただいてますが、今作の音楽の評価は結構微妙だったんですか・・・。
今後ウィリアムズ以外の作曲家が関わる方が多いことを考えると、慣れてくる人も多くなるとは思いますが、SWっぽさという面でまだ評価が割れてしまうのかもしれないですね。

序盤の「帝国のマーチ」、やっぱりカッコいいですよね。
パウエルを推薦するとすれば、ウィリアムズ作のテーマが含まれるこの曲は、今後公開されるであろうFYCのスコアでは聴くことが出来無さそうなのが残念です。

No title

いえいえ、本作のサントラは相当に気に入ってますよ!
何度聞いても飽きないですし、パウエルのスコアは相当燃えます。
ウィリアムズのモチーフを巧く現代風にスコアにとり入れていると思います。
映画も個人的には楽しめました。

Re: No title

suitakameさん、言葉足らずですみませんでした。
世間一般的な評価低かったとのことで、少々驚いていました。

今作の曲良いですよね。
これだけ幅広いアレンジを聴かせられるパウエルはやはり凄いと思います。
1曲目ががっつりウィリアムズ色に染まっていただけに、作曲家次第でここまで曲の雰囲気が変わることに改めて驚かされました。
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ジョイス

Author:ジョイス
スターウォーズ、アメコミ、ピクサー作品などのサントラを紹介していきます!
日本でより多くの方にサントラの面白さが伝われば嬉しいです!

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